『イヴの時間』を観た
結構昔の作品ではあるけど、終盤の展開に触れる感想なので伏せる
続きを読む
−−−−−−−−−−
野島さん出てるんだーくらいの軽い気持ちで見始めたけど、こういうの本当に大好き…という感じの作品だった
たぶん人間でないものに感情や心を求めて縋ってしまうような人間が描かれた話にものすごく弱い 機械もそうだし、動物とかもめちゃくちゃ涙腺に来る

勝手なことするなよとコントロールできない部分に苛立っていた主人公がアンドロイドたちの人間らしい部分に触れて変化していったのも素敵だったし(ピアノ弾く場面最高)、機械だぞ、心なんて…ばかばかしい、みたいにうそぶいていたマサキがあんな…沼深すぎないですか?

姿が見えない、って展開になったときのうわああああ感がやばくて、絶対マサキのためにイヴの時間に行ったじゃん…となるし、マサキを危険から守るためにだけルール違反を犯すくだりでもうだめだった(涙腺が)
そのチャンスをしっかり掴んで出てきた台詞が助けてくれよ、なのもやばい とてもしんどい 機械相手にお前の気持ちを教えてくれ、だもんな…
ずっとそばにいるためにはこうするしかなかったというすれ違いがたまらなく効きすぎる
最後に、お店にいる人達の優しさが垣間見えるオチがついていたのもよかった(どうやって入ったんだ…?)
またお話できる日がくるといいな
二人でお父さんのもとから巣立つ未来があるのかもしれない
うーーんやっぱりだめかな、仕事を相当手伝わせてるみたいだし、重要な情報のログとかが残っちゃってそうなので、連れて行くなら記録をすべて消して…みたいな感じになりそう それでもなにかしらは残って、人間の側は感傷を覚えることになるのだろうけど

あれこれ説明しすぎない感じがめちゃくちゃ好みだったので、また観る気がする 感想書きながら思い出し泣きしてる
ベイマックスももう一度観たいかも 丸っとしたロボットを見たからかな…

カルトンのところもよかったな…まだ人間と同じ姿をしていない頃のロボットの方が個人的には好きかもしれない 正直そんなに寄せる必要あるのか? とも思うし…姿が違っても、言葉を交わせている時点で他の家電とは一線を画している感じもするからかな
ヒューマノイドよりも工業向けとかによく見られるような機能特化したタイプのロボットのほうが好きなのもある
話は戻って、持ち主の子どもが描いてくれた絵が大切な思い出として保存されていたのが本当に切なかった
人間の方が簡単に割り切れてしまうという描かれ方をしていたな…たぶんそれは、人間には忘れるという仕組みがあるから ロボットのストレージはめったなことでは壊れないんだろう
そして、外から人間が操作できる範囲でデータを消去したとしても、ハードウェアがまっさらな状態に戻るわけじゃなくて、断片が残ってしまう

所有者の気持ちを知りたくて悩む機械、幸せだった頃の思い出をずっと反芻し続ける機械、傍に居続けるために大切な相手を裏切り続ける機械
それらすべてプログラムの条件分岐で成り立っているのだとしても、それを見る人の方は心を感じてしまうのかも

ああいうコンセプトの場所だからこそ、最後まで素性がよくわからない存在がいることも穏やかに受け入れられる気がする
結局どっちだったのかな? とも思うし、こういうシーンがあったからこっちか…? みたいな想像をするのも楽しいけど、この作品の世界にはああいう場所があることを願った存在がいる、ということが重要なのであって、そう思ったのがアンドロイドであろうと人間であろうと、どちらでもいいのかなと思えた